ピアノの練習でメトロノームを使うとき、いろいろな使い方があります。
練習の効果をアップするために、いろいろな使い方や練習方法をご紹介していきたいと思います。
ぜひ参考に、ご活用下さい。
メトロノームの使い方と練習の仕方 中級者編
音楽の三大要素である 「リズム・メロディー・ ハーモニー」のリズムを、習い始めのお子様や初心者の方は、メトロノームを使って拍の基本を身に付けると、先への学習がスムーズになります。
目で見て、耳で聞いて、しっかり自分の中に拍を感じて確認しながら、メトロノームに合わせてピアノを弾く練習をしましょう。
基本に慣れて来たら、音楽性豊かに弾くために、メトロノームを使って「立体感」や「空白感」も養う次の段階へ行きましょう。
今回は、ピアノの練習の効果をアップするために、中級編としていろいろな使い方や練習方法をご紹介していきたいと思います。
メトロノームの等速感の中での練習方法について
「メトロノームに合わせる」という機械的な作業ではなく、音楽性を盛り込みながら拍感を養う目的に使用します。
rit.や、ためる音(たっぷり歌う) など、音楽的に弾きたい部分もたくさん出てくるので、その場合はメトロノームは使用しません。
でも、全体に等速感は養いたいので、メトロノームをかけながら練習します。
ではメトロノームの等速感の中で、どのような練習をするのでしょうか。
音楽表現において重要な、呼吸(息づかい) を感じて、音楽の立体や空白を感じることが出来ることを目的とします。
<立体感>
メトロノームの刻みを点で捉えず、音から音へ 線でつながるイメージを持つこと。
そして、その線が曲線であること。
伸びや広がりをイメージして聞くこと。
曲の中には、クレッシェンドやデクレッシェンドなど、音の強弱だけでなく、空間が広がったり 狭くなったり、密度が濃くなったり 薄くなったり、いろいろな表現があります。
それをイメージしながら、メトロノームの拍を感じて流れのある演奏をします。
またメトロノームを使ってのスタッカート練習は、はっきりとした区切りを表現したり、立ち上がりたいようなシャキッとした音、マルカートなどは拍の立ち上がりや、弾力のある弾みなどとして、メトロノームの音を聞かなければなりません。
ただそのような音にするためには、手や腕の使い方・打鍵の仕方に鍵があります。
これは別記事でご紹介します。
いずれにしても、スラーのような流れのある音や、スタッカートの弾みなど、奏法のテクニックを練習しながらメトロノームでの等速の中に表現出来る訓練をします。
<空白感>
休符としての無音こそ、次への誘導の鍵があります。
休符には、リズムの休符や、限りなく次の音へ行きたい休符、ハタと止まるような空白にしたい休符などなど、他にもいろいろとあります。
呼吸のための休符、表現のための休符や、深い呼吸・静かな呼吸、荒い呼吸や止まったかのような呼吸、その先へ 続く呼吸など、いろいろな呼吸の速度によって休符(空白)を感じましょう。
この様に演奏は、呼吸を意識することで拍感がはっきりとクリアになる場合があります。
休符を単純にお休みと捉えるのは、初級までとし その先の段階は、イメージトレーニングを主体として、メトロノームを活用できると良いでしょう。
要するに、メトロノームは時の刻みであって 、基本の流れを感じることが主で、中級者になると「メトロノームに合わせる」という目的よりも、イメージを膨らませることに、重要なポイントがあると思っています。
指導として、無機質な刻みの中にも「こんな風に~」と提案から始まりますが、最後は弾き手が「どんな風に~」と思えることが大切になってきます。
拍のイメージと音のイメージを想像しながら、曲に取り組めるようになると、ますます音楽の深さと出会うことになるでしょう。
音のイメージはやはり、いろんな弾き方で作られるものです。
様々な音を弾くための方法は、また別にお伝えします。
【余談】
この無機質なメトロノームの刻み・・
長年、「なんとかならないかな」「なんだか強制されてる感じ」と、私自身決して好きなものではありませんでした。
ひたすら等速、その中にさばける指と、粒立ちの練習のみでした。
これを何とか強弱や膨らみや、他にもいろいろ… もっと立体感があり、想像をかき立てるものはないのかと、漠然と思ってました。
もし想像をかき立てるようなメトロノームがあれば、生徒たちも想像力が膨らみ、自らの練習意欲に繋がるのではないかしら…
こんなものを見つけました↓↓
よく目には しますが、これをメトロノーム化出来たら、少し斬新なものになるのでは・・
他いろいろ、こんな風にあんな風にと、思っていることがあります。
この記事を見て、我こそはと思ってくださる方がいればいいなと期待を込めて、また別記事にしてみます。
メトロノームを使った ピアノ練習で身につけて欲しいこと
メトロノームを使った ピアノ練習で身につけて欲しいことは、
- 拍を予想できる拍感
- 等速感を身に付ける
等速の中で、動く指と 少し先を見れる目と 柔軟な頭
私はこれを、ピアノ脳だと思っています。
無数の神経を使って弾くピアノは、脳に良いとよく言われています。
「ピアノを弾くと頭が良くなる!」
いろんな意味で、地頭を鍛えるには最高なことでしょう。
決して簡単ではないピアノ。
でもそれを一つずつ乗り越えると、大きな喜びとなって帰ってくるのも事実です。
コツコツと基本を積み上げて素敵な音楽の世界へ行きましょう。
具体的な指導法などは、お話会などでも触れています。
たくさんのケースを経験してきました。
同じピアノ指導者として、ぜひ経験や体験をお話会でシェアいたしましょう。
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メトロノームの使い方・中級者編まとめ
拍を身体で感じられるように、メトロノームを上手に活用したい導入時期 から、
安定した流れで演奏できたり、リズム感も身に付ける初級者編をお伝えしました。
今回は、柔軟なテンポの揺れや音楽性豊かに弾くために、メトロノームを音の乱れを整えるだけでなく、立体感や空白感をイメージしながら、音楽のニュアンスを取り込むことをお伝えしました。
実際に曲を演奏するときに、メトロノームの一律なテンポで弾くわけではありません。
●初心者、初級者は
- 音符とメトロノームのカウントが、きっちり合うこと。
- テンポの中で、読譜がスムーズにできること。
●中級者~は
- メトロノームを、音の乱れを整えるだけでなく、柔軟なテンポの揺れや音楽性豊かに弾くために、音楽のニュアンスを取り込むこと。
やはり一番大切な事は、初級の段階でしっかり活用できること!です。
メトロノームの使い方と練習の仕方が重要になります。
次回は、メトロノームについてをご紹介します。