スラスラ弾きたい!
速く指が動いて気持ちいい!!
でも、ピアノを弾くときに、どうしてもスムーズに弾けないと感じることはありませんか?
- 音が途切れたり
- 間違えたり
- テンポが乱れたり
思うように表現できないと悔しいものです。
ピアノ演奏でスラスラ弾けないのは、いくつかの理由があります。
それぞれの原因と対策を見ていきましょう。
- 指そのものの動きが悪い➡各指の練習の仕方や注意点
- 次の音を見ていない・頭で予想出来ていない➡目の使い方思考の使い方と練習方法
- 次の音へつなぐ練習方法と注意点➡弾きづらい部分の対処法
- その他
今回は、4つに分けて説明していきます。
1.指そのものの動きをよくする方法
1.指そのものの動きが悪い➡各指の練習の仕方や注意点として
ピアノを弾くには、指の力や柔軟性や独立性が必要になります。
指そのものの動きが悪いと、音が弱かったり、音の粒がそろわなかったり、不安定になります。
また、指の動きが悪いと、手や腕に余計な力が入ってしまい疲れやすくなります。
指の動きを改善するために、以下のことを練習してみましょう。
・手指のストレッチ
まず手を痛めないため、動きやすい指をつくるための準備が大切です。
<筆者見解>:手のひらや各指の筋肉を緩めたり、ほぐすことを知らずのうちにいつもしています。
手のひら中央をもんだり、指先を手を握りながらもみほぐす感じです。
自分の感覚としては、血行をよくする!という感じで、手首が冷たいのもとても気になります。
指先を温めるより手首を柔軟に保持出来るように本番前はいつもアームウォーマーは欠かせません。
それと、指先はもちろん手がカサカサするのも鍵盤が手に付かず、弾きにくい感覚に陥ります。日頃のケアは必須です(本番前はクリームは塗りません)
ピアノを弾く以前に出来ることなので、日頃から心がけ指のコンディションを整えると良いでしょう。
・動きを良くする練習方法
ピアノを弾いて間もない頃は、指自体が「あるルール」に反応するのか?を訓練すると良いと思います。
では、あるルールとは何か?
楽譜にある音符を弾くという反応
指使いを正しく弾くという反応
この2つのルールに気をつけて弾くには、かなりの難しさがあるのではないでしょうか?
この場合、指番号だけを書いて指そのものが反応する訓練をしましょう。
12345 54321 12354 34512 13245など、数限りなく組み合わせて机の上で練習するといいでしょう。(ドは1、ファは4、など決して決め込まないことが大切です。あくまでも指を動かすことに意味を持たせます)
指番号に反応できてきたら、やはりピアノの鍵盤上で練習することが大切になってきます。
では、ピアノの基礎技術を身につけるテキストとは?
楽譜としては音が読みやすく、同じ動きの連続で訓練すると良いと思います。
当教室の導入期のレッスンとしては、「スラスラ弾く」はまだしません。
楽譜を読む・音の出し方・他、ピアノの基本がわかった上で、スラスラ弾くには何が大事かを考えられるようにしたいものです。
指番号だけの訓練から➡バーナムテキストで指のさばきを取り込み➡ハノンなど指作りのための練習曲をします。
「ハノンの優れたところ」
各指の独立性や連動性を鍛えることができます。
- 同じ音型の連続で、リズム練習もいろいろ取り組め、移調練習にも活用できる
- 1オクターブ内に納めることもでき、速さに挑戦もでき、指で音の幅を覚えるのに最適
- ミスタッチの改善にも有効
両手の音量バランスや、タッチ練習もできますし、短調にする勉強もチャレンジしたり、様々な使い方ができます。
<注意点として>
正しい姿勢と手の形に気をつけて、手首や指を上下左右に動かしすぎないこと。速く弾くことが目的ではないので、がむしゃらにならず音楽的な音で弾くことは大切です。
粒くずれや、テンポが乱れないようにメトロノームを使うことも大切になります。
メトロノームの使い方はこちらに書きました。
2.次の音を見て頭で予想できる方法
2.次の音を見ていない・頭で予想出来ていない➡それぞれの練習の仕方と注意点として
ピアノを弾くときに、次の音を見ていないとどこに指を置くのか迷ってしまいます。
このちょっとした躊躇が、テンポが落ちたり止まってしまう原因になります。
また、頭で予想できないと、音の流れや曲の構成がわからず、演奏に迷いが生じます。
次の音を見ていない、頭で予想できていないということは、楽譜が読めていないことにも大きな原因があります。
楽譜を読む力を高めるには、次のような練習をしましょう。
・楽譜の分析
楽譜を読む前に、楽譜の分析をします。例えば、曲の調子や拍子・形式や構造・臨時記号や和音進行・音型やリズムパターンなどを見ます。
難しく感じるかもしれませんが、何調で何分の何拍子か、8分音符や16分音符で構成されてるとか、途中で曲の感じがゆっくりになってるとか、ザックリと目を通すだけでも曲の感じを予測は出来ますし、曲のルールが見えてきます。
そうすることで、決められたルートに乗りやすくなります。
これらのことを理解すると、曲の全体像や特徴を把握できます。
ただ、「そうか、だから・・」と思えるには経験が必要になってくるかもしれません。
初心者の人は、左手の伴奏の同じものを探して○で囲んでみたり、右手も同じモチーフを抜き取って印をつけてみたりすることで、楽譜と仲良しになってみましょう。
音楽は、二部形式など同じモチーフがたくさん出てきます。
同じものを探すことによって、長そうな曲も実は数小節の練習で制覇出来るものもたくさんあります。
難しいことだと決め込まず、弾く前に鉛筆を持って勉強する習慣があっても良いのではないでしょうか。
・先読みする
ピアノを演奏するとき、現在弾いている所だけを見るのではなく数小節後まで見渡すことが出来ると、次の音に備えることができます。
楽譜を見やすく工夫をしていたら、目に注意点がとまりやすく次への思考が働きます。
小さなお子さんは、次へ目を移すと今弾いてるところがわからなくなって混乱することも、よく見かけます。
今現在を注意しながら、先(未来)を考える。
いつも思うのですが、やはりピアノを弾くことは脳を鍛えるのだなと実感します。これは、毎回の訓練のようなもので、「次を考えて今がある」ことに必ず慣れて身についてきます。
・記憶する
楽譜を読むときに、目で見るだけでなく頭で覚えることも大切です。
覚えることで、次の音や音型や注意点が頭に入り指の動きが円滑になります。
ここで注意しなければいけないことは、決して丸暗記で指の動きを覚えるのではありません。
小節ごと、声部ごと、小単位に区切り、音やリズムパターンを理解し覚えることで曲の全体像を把握します。
では、何を覚えると良いのでしょう。
- 音やリズムのパターンを覚える
- メロディーやハーモニーのパターンを覚える
曲を弾くのは、通して丸暗記するのではなく、いろんなパズルが組み合わされてつながっていて(電車の連結のように)、どのパーツも取り出せるのが理想です。
<筆者見解>:真面目に練習する子ほど、覚えて弾いてしまう。
練習したことには100%の褒め言葉が必要なのですが、途中から弾けなかったり、今弾いているところがどこなのか?楽譜で見つけられない子も多いように思います。
楽譜の読み方や、覚えることの意味を取り違えると、どんどん自己流になり、間違いの多い演奏が染み付いてしまいます。
時々、間違ったところを直そうと、そのあたりの鍵盤を探り思い出そうとします。
一生懸命なのですが、そこに努力はいらないのです。
探り弾きや思い出す練習に無駄な労力を使わず、間違ったときは楽譜を見ましょう。わからなくなったら楽譜を見ましょう。楽譜に全ての答えが書いてあります。
メトロノームで目の使い方や思考も訓練出来る!
メトロノームの活用はいろいろあります。
次の音をどんどん読んだり、そして、頭も次の楽譜にある情報も認識出来る訓練が出来ます。
もちろん音そのものを読む練習にもなります。
「訓練」とは、少し負荷をかけることで身に付けていくもので、一つの課題を完璧にするという勉強法ではなく、視野を広げ目を移す練習や、次の思考と指の動きの反応力を養いましょう。
長い時間や回数を重ねて努力するピアノ練習とは違い、短い時間で良いので判断能力や運動能力の瞬発力を養いましょう。
これらを鍛えるのは、回数が決め手になるでしょう。
お家での自主練としても、 5分ほどの時間なら取り組めそうですね。
3.次の音へつなぐ練習方法と対処法
3.次の音へつなぐ練習方法と注意点➡弾きづらい部分の対処法
目が次の音に移せていても、弾きづらい音型でテンポが落ちたり、ミスタッチをしたり、次の音へつなぐことが難しい場合があります。
いわゆる演奏テクニックになってくるのですが、次のように心がけるとだんだん指や手そのものの反応が良くなります。
・音程の幅を指が覚える
2度(ド→レ)3度(ド→ミ)など、基音からどれだけ離れると何の音に届くのかを、自分の指と鍵盤の幅を感覚で覚えましょう。
年齢や手の大きさで人それぞれになりますが、基音が何番の指かで指の開き方も変わります。
ピアノの鍵盤は1つのキーが2cmなので、鍵盤中央から隣の音中央は2cmになります。
そうなると指の開き方というのは数値化できるということです。
何センチかという数字で練習するのも良いですが、自分の手の感触で覚えていく方が手応えに変わります。
<筆者見解>:音程の幅を指が覚えるについて
小さい頃、一つずつを噛み砕くように、指幅と音幅を覚えた記憶はありません。
レッスン最初にハノンをひたすら弾いてましたので、このテキストで自然に身についたのかなと思います。
また、スケール&アルペジオも必須でしたが、これも調性や指の運びなどの大いなる基本だったと今更ながら感じます。
とにかくピアノの鍵盤幅は変わりませんし、88鍵(メーカーによる)を操るのは自分の手です。
オクターブや跳躍音も、すべて身体を幹にどれだけ腕やひじや手首をスライドさせたり移動させるかなのです。
ピアノとお友達になって88鍵を制覇できるように、自分の感触を磨くことしかないのです。
今までお話してきた全てにおいて、ゆっくりと丁寧に焦ることなく、コツコツやり続けることで体が感覚として覚えてくれます。
スラスラ弾けないその他の原因
- 楽譜の読み方が悪い
- 指使いが悪い
- リズムの作り方が悪い
楽譜の読み方や指使いが悪いと正確に弾けませんし、リズムが悪いとテンポが乱れてしまいます。
楽譜を読むとはどういうことかを見直したり、指使いを正しく使うことをくせづけたり、リズム感を養うためにリズム打ちやメトロノームを活用しましょう。
スラスラ弾けるようになるためには、毎日の練習は欠かせません。
また、毎日大切なポイントを押さえて練習すれば、スラスラ弾けるようになるのです。
自分に合った練習方法を見つけて、是非毎日の練習に取り組んでみてください。