【楽譜になると音が読めない】の問題点と解決法

 

音符カードや塊読みの練習で音は読めるのに、楽譜になると途端に迷走するお子さんや生徒さんたちはいらっしゃいませんか?

 

今、当教室でも迷って混乱する生徒がいます。

 

習って一年ほどが経ちます。カードも早読みも出来ますし、もちろん数えて音を読むことも出来ます。

ただ、今発表会に向けて難しい曲に取り組み始めて、カードで読めることと楽譜上での理解とは別であることに遭遇しています。

 

 

音符カードは「あ」を読めてるだけ!応用力が必要なのです

 

音楽は、文章と同じ。

「あいうえお」という文章はないのと同じで、音楽もいつも「ドレミファソ」と出てくるわけではありません。

 

一音ずつの音符カードで音を読めても、塊読みのカードで音が読めても、要するに楽譜にある音を読めるとは、応用力になってくるのです。

 

<最近思うこと>

はやく音が読めるように、音符カードや塊読みを何回も練習してね!とよく言います。

やればやるほど、記憶に刻まれる…これは紛れもないことです。

フラッシュカードのように早読みも得意になります。

でも、大譜表になると迷ってしまう。

 

最近は大譜表で書かれた音符カードもありますが、ト音・へ音のカードが主流です。

 

ピアノの楽譜はト音とへ音の大譜表です。

音符を読むことに違和感のない子もいますが、苦手意識のある子たちの感覚は、どう感じてるのでしょう。

ト音の音読みが出来るのなら、大譜表でも同じじゃないの?と大人にしたら不思議に思います。

 

導くと、やはり読めます。へ音もですし、加線の音も数えれば読めます。

でも、一人じゃ怪しいし悩んでスムーズに進みません。

 

カードでの記憶は、ややもすると条件反射の記憶であり、それを使える応用力をやしなってるわけではないんだと・・

 

楽譜を読み取る力が大切

 

習う年数や年齢で、楽譜を見たときに、音符がたくさんあったり、リズムがややこしそうだったり、など瞬間に楽譜を見渡す目があります。

 

習い始めや、まだ経験の浅い子たちは、複雑な楽譜を目にすることはあまりありません。

 

多分、視覚的な慣れも楽譜を読むと言うことにかなり影響があるように思います。

ある意味慣れるということが、一つの解決の糸口かも知れません。

音を読めるようになるレッスンの流れ

下の写真のように、五線にに乗った音を覚えてもらいます。

 

まず、線と間の成り立ちから、一つずつ読めるように導き、数えなくても音がわかるために、一音ずつが図形のように刻み込まれるように音符カードで訓練もします。

 

そして、その音が鍵盤上でどの場所になるのかも、紐づけて訓練していきます。

 

音が読めるようになるために線と間のお話はこちらに書きました。

音の「上がる下がる」も含め、鍵盤上での音の場所が大切です。

 

音は読めるし、大譜表での音階として目にすると理解はできますが、楽譜となると、この訓練をうまく利用活用できてない感じなのです。

 

<最近思うこと>

音符カードや早読みの訓練を、限られたレッスン時間内でするのもどうなんだろう。

決して無駄ではないのだけれど、もっとピアノを弾くことに直結した効果ある時間はないだろうか。。

 

やはり、行き着く先はここしかなかった。

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初見視奏

 

 

初見視奏の大切さ:応用力をつける最適な方法

 

お始めや導入の時期から、この訓練の仕方はいろいろあります。

  • お始め・導入期

前にも書きましたが、まず一小節からでもいいのです。もちろんト音・ヘ音の別々から始めます。

ただ、それを「メトロノームに合わせて読める➡弾ける」が、反応力につながります。

  • 音が読めるようになってきたら

二小節、四小節と長いものに挑戦し、視線を先に移せる訓練をします。この時はまだト音・ヘ音の別々でいいと思います。

これも「メトロノームに合わせて」ができることによって、思考や考える力が研ぎ澄まされます。

  • いろんなことが慣れてきたら

両手で弾く大譜表に移行します。音符はなるべく少なく、拍数の長い音符で構成されてるものから始めます。

拍の中にたくさんの音があればあるほど、理解力や対応力が必要になりますので徐々に進めます。

これも、一定のカウントに理解がついていくように「メトロノームに合わせる」ことがとても有効になります。

 

まず、このような時期に、このようなことをごく自然に行っていれば、楽譜となった時の情報量の多さや覚えたはずの知識を応用するやり方が、なんとなくでもつながって行くように思います。

 

音がわからない時は、自分で覚えたやり方を利用して考えられるように、じっくり待ってあげることも必要かも知れません。➡自分で考え応用できる力を育ていくことに繋がります。

 

ということは、音を読めるということから「何につなげていかなければいけないか」と言うことです。

 

 

楽譜を読めるとは、「応用ができる」という力です

 

はじめに書いたように、「あいうえお」と読めても、書いてある内容がわからないと本を読んでいても面白くないし、読む気もしません。

 

音楽も、まさしく同じで、たとえ音が素早く読めても音楽としてわからないと、面白くもなんともなく「訓練」という修行の世界になるのかもしれません。

 

「音楽としてわかる」や「楽譜を読める」とは、限りなく深い話にはなりますが、初めの段階の「音を読むこと」に苦労があると、この世界を味わうには遠い道のりになります。

 

本を読んで感動するのと同じように、ピアノも美しい音の世界がたくさん待ってます。

 

そのためにも、修行のような辛いものではなく、いつしか読めるようになってます!となるように、コツコツ積み上げましょう。

時間と回数で、「楽譜になると音が読めない」から必ず脱出できます。

 

 

初見の大切なこと

  • 短い時間であること
  • 考える手順をいつも同じにすること←これを間違えるとスラスラ弾けないことに繋がります
  • 大譜表の楽譜を両手で弾くこと
  • 1小節~数小節にとどめること

特別に初見用の楽譜が必要ではなく、その子のレベルに合うものをいろんなテキストから抜粋すれば良いと思います。

例えば、「バイエル」「ブルグミュラー」など、なんでも良いですし曲の冒頭に関わらず、途中でも良いと思います。

 

単に「音をよめるようになる」だけでなく、調性や拍子記号やさまざまなものを読み取る訓練とするなら、大きな子もキャリアのある子も、大人も、とても良い練習になるのではないでしょうか。

 

 

 

いろいろトライすることで、きっと今よりも前進します。頑張りましょう。