「楽譜を見ないほうがスラスラ弾ける」「楽譜を見ると弾きにくい」そんな風に思う人はいないでしょうか…
「見ないで弾く」と「見ないで弾ける」は大きな違いがあります。
また「楽譜を見て弾く」ことは、「流れよく綺麗に弾く」ことにつながり、ピアノ上達の鍵になります。
この【楽譜を見る】【楽譜を見ない】の、メリットデメリットを書いてみます。
楽譜を見ないで弾く
実際、通して演奏する時は、記憶で弾いているのだと思います。
ただ、この「記憶=見ない」ではないのです。
「だって、見ないで弾けるもん!!」
と、嬉しく思いますよね。
そうですね。でも、「見ないで弾く」と「見ないで弾ける」は大きな違いがあり、ここを取り違えると後々苦労する、、というお話をしていきたいと思います。
では、この2つ「弾くと弾ける」の違いを考えてみたいと思います。
「記憶」は脳と指がする
「見ないで弾く」と、スラスラ弾けるように思います。
・一生懸命練習すると、頭で自然に覚えます。
・たくさんの練習で指も動きを覚えます。
練習の成果とも言えるのですが、やがて大きな問題にぶつかります。
大きな問題とは何でしょう・・
「見ないで弾けてしまう」というのは、全体をコピー画像のように記憶してるのだと思います。
✔弾いてる途中で、いつもと違うことに遭遇すると、
- 途中からは弾けなくなるのではないでしょうか?
- 長い曲が弾けなくなりませんか?
- どこだかよく分からず、なかなか正しく直せないことはないでしょうか?
「楽譜を見ない」デメリット
楽譜には、数限りない情報が書かれています。
音だけでなく、指使いも、強弱記号も、スラーやスタッカートも・・
楽譜を見ないで弾いてしまう生徒のお話
先ほども言いましたが、途中から弾くことが出来ません。
間違いも、なかなか直りません。
最初から弾きたがり、肝心な所で同じ間違いを繰り返します。
途中で止まったり分からなくなった時、思い出そうとします。
いつも私に「思い出し弾きしないで、楽譜を見て!」と言われます。
楽譜を見ても、今どこなのかわかりません。
音を読んで指番号を見て…と、まるで最初の練習段階に戻ります。
いつも「楽譜に答えが書いてある!」と言ってます。
- 見なくても弾けるようになっても
- ややこしい音だから覚えようと思っても
- 覚えていてもです‼
- 簡単に感じるようになってもです‼
- いつも見て弾いてると、記憶として目も耳も手も覚えるのです‼
- 覚えようとしなくても、、です‼脳ミソは本当にかしこいです!
必死で覚えるより、答えが書いてある楽譜を見る方が本当は楽なはずなのです‼
よくよく考えると、「間違いが直らない」ということは、初めて認識として入った記憶は忘れない‼・・ということです。
本当に、脳の記憶は素晴らしい!です。
だからこそ、はじめに正しいことをきっちり出来ると、二度手間の苦労も、モチベーションのダダ下がりも防げます。
「楽譜を見る」という目からの情報は記憶をもっと鮮明にしてくれます!
「楽譜を見る」メリット
記憶は脳と指がする
一生懸命練習することでいつしか頭で自然に覚えスラスラ指も動きを覚えてくれます。
- イメージが鮮明なもの
- 感情が動いたもの
- 何度も繰り返し
- イメージが鮮明なもの⬅初めて読み取った音・指づかい・リズム・音楽記号・その他いろいろ
- 感情が動いたもの⬅これは弾き込んでいかなければ出会わないかも知れません
- 何度も繰り返し⬅毎日の練習
《教室生徒》年少さんの時の写真。今は小学2年になりました。
小さい頃から、しっかりと楽譜を見ることが出来ました。
まだまだ集中力も続かない年齢でしたが、納得しないと前には進まないある意味こだわりのある子でした。
小さい頃の積み上げは、外目に見えない内側への浸透だったのかと、振り返ります。
最近のピアノの上昇カーブには驚きを隠せません。
小学校に入り、ピアノだけでなくお勉強も運動もめざましい成長があります。
伸びる時期、吸収する時期はどの子にもあります。
慌てることも、焦ることも要りません。
ただ、はじめにきっちりしたことを伝えることは重要なのだと思います。
楽譜を見て弾く生徒のお話
なかなか音を読めなかった子も、いずれは読めるようになります。
そこにはコツコツの努力は必要ですが、必ず毎日の努力は実をを結びます。
地味な作業なので、成果としてはその都度は目に見えにくいかも知れません。
「うさぎとかめ」のお話のように、地道なかめさんの積み重ねは、道のりは長くても着実な手応えをもらえます。
ようやく楽譜を正しく読むことの意味が分かってきた子もいます。
お家練習のやり方が分かった時から、右肩上がりの成長です。
楽譜をきっちり読めるようになった時点から、表現力もどんどん身に付いてきました。
やはり時間はかかっても、この手順こそが、「ピアノ上達」への道のりだと確信しています。
せっかく頑張るピアノ練習。
この当たり前すぎる「楽譜を見て弾く」を侮ってはいけないのだと思います。
お家練習☆練習のポイントがわかる!
「楽譜を見ましょう」は当然だとして、肝心なことは「練習の仕方」です。
こちらにも書きましたが、とにかく自分の出来る限りの「正しく見る」に気をつけて練習しましょう。
ピアノの譜読みの手順はこちらにも書きました。
- 音を読む➡ドレミもですが、ピアノの鍵盤位置を確認すること
- リズムを考える➡何分の何拍子で一拍にどのように入るリズムか、と一定のテンポで手を叩けるかを確認
- 指番号➡上の2つが出来てからピアノを弾く・その時に好きな指番号で弾いてしまわないこと
これも、初歩の段階で徹底すると、やがてはこの3つの確認は秒で出来るはずです。
当たり前に出来ると思っても、この手順を踏むことがミスを少なく、要らない努力をせずにすむ一番の近道です。
あと、レッスンで「やってきてね」と言われたことを練習するのが、お家練習の一番のポイントです。
「上手になる」ためにはここを押えると、どんどん上達します。
「練習のポイント」を逃さなければ、練習を積み重ねて下手になるわけはない!と思ってみましょう。
何をすればいいか?自分で考え工夫する
先生の指摘をお家練習のポイントに出来たら、まず一週間の練習計画をたててみましょう。
これも、「自分で考えること」の第一歩になります。
・何曜日に○○練習をする
ざっくりで構いません。細かすぎたり立派すぎると計画倒れになりやすいです。
とにかく、毎日を「何気なく練習する」・・これが一番成果が出にくくなります。
「練習計画」もやっているうちに、自然と身に付いてきます。
「何をすればいいのか…」が分かるようになると、「出来るようになるためにどうしたら良いか…」を考えたり工夫出来たりしていきます。
自然と身に付くには、時間はかかります。
でもゆっくり身に付いたものは、身体や頭に浸透して、いわゆる「習慣」につながったり「記憶」に落とし込めるのだと思います。
慌てなくても大丈夫!と思いましょう。
ただ、いろんな手順ややり方や、大切なものを見落とさないことが大切です。
コツコツ積み上げる!!
是非頑張っていきましょう♡