響きのある美しい音でピアノを弾くためには、演奏テクニックが必要になります。
しかし、「脱力してらくに弾いて美しい音を出す方法」のテクニックを身につける前に、重要なポイントがあります。
こんなことに困っていませんか?
<小さなお子さんから大人の方まで>
今までのピアノ練習で
- 腕や手首が痛い、疲れる
- 指が速く動かない
- ゴツゴツした音で、なめらかな音で弾けない
その他
①肩がこる・首がこる
②腰が痛い
③長時間の練習後、全身の疲労感
こんなことに出会っているのではないでしょうか?
レッスンでは、先生から「もっと力を抜いてらくに弾いてね!」とご指導いただくことも多いと思います。
本人自身も「もっとらくに弾きたい」と思ってるはずです。
「力を抜いてるつもりなんだけれど・・ついつい」となるのが現状ではないでしょうか?
では、どうすれば力を抜いてらくに弾けるのか・・
言葉でお伝えするには限界がありますが、いろいろとご紹介していきます。
力を抜く=脱力 とは、どういうこと?
- 肩を上げない
- 腕や手首に力を入れて硬くならない
- 奥歯を食いしばらない
- 息を止めない
よくこんな事を言って生徒たちにレッスンをしたものです。
どれも正解ですし、力の入る原因になります。でもどれもあいまいで、肩を下げたかららくに弾けるものでもないし、
腕・手首・その他の力を抜いたら弾けるかと言うと、どれもピンポイント解消で、解決にはならないと言う事です。
簡単に一言でいうと、らくにピアノを弾くためには【リラックスした身体を地球の重力に任せる】ということです。
これだけ聞いても、何のことだ?だからどうすることなの?と思いますね。
力を抜いて、らくにするとは
では、例えば・・
長い行列を長時間路上で立っていたとします。
両足に体重をかけてきっちり立ったり、片方の足に体重を移してなんとか楽に疲れないようにします。
行列も動き、やがて建物の壁が近づいてきたら思わず寄りかかって疲れた体の筋肉を緩めたくなります。
この時、自分の体重を壁に移しているのです。支えてる足も背中で支えることによって浮かすことも出来ます。
いかがでしょうか?この状況、想像できますか?
では、この例えをピアノに置き換えてみると
壁がピアノです。寄りかかる体が、ピアノを弾く指先です。
もう一度言うと、力を抜いてらくにするとは、壁に体を寄せることで自分の体重を移し、あずけることで楽に感じてるわけです。
ピアノに自分の体重を、肩・腕・肘・手首から指先へ流していくと、らくに感じるというわけです。
地球の引力は、高い所から低い所へ無駄なエネルギー無く落ちていくのです。
その自然な流れを、たとえば肩を上げることで自然に反する抵抗が疲れを呼びます。
自然に流れようとする重みを、腕や肘や手首のこわばりで流れを止めてしまいます。
力を抜く=脱力とは、力で何とかしようとするのではなく、初めから力ではなく重さを使うことで、「力を抜きなさい!」とはならないはずです。
力ではなく重みと考えると、抜く必要も脱ぐ必要もないのです。
重みを使うって、どういうこと?
では、重みをうまく使うってどうすればいいの?
地球の重力や引力を上手に利用するには、ピアノを弾くという段階の前に重要なことがいくつもあります。
- ①椅子の座り方 ②足位置 ③姿勢
- ④椅子の高さ ⑤ピアノとの距離 ⑥顔の位置と譜面台の高さ ⑦座布団や足元
ピアノを脱力してらくに弾いて美しい音を出す方法としては、身体各部の使い方や、具体的な演奏やテクニックとなり、こちらはまた別記事でご紹介しています。
まず、ピアノ演奏での細かい練習の前段階に上記①~⑦までのことを、しっかり整えることが必須となります。
力を抜いてピアノを弾くために、まず大切なこと
①椅子の座り方
座面に骨盤を立てるように座ります。
腰はそり過ぎず、背骨が骨盤の上にまっすぐのるように意識します。
肩も上半身もリラックスして、力が入るようだと左右に回転させたり上下にゆすってみます。
肩も思いっきり上に引き寄せ、ゆっくり重力に任せて落とします。
骨盤の上に背骨がまっすぐ乗り、そこに肩や腕が自然に下向きの力になっていると、力みのないリラックス状態が出来てることになります。
②足位置
奏者自身のゲンコツ横向き2個分ほど膝を開きます。
足先は外向きで小指側に意識を持ちます。決して力を入れて踏ん張るのではなく両足の外側に意識します。
ペダルを踏むときは、足親指の付け根の骨をあてて踏みますが、この時も足は小指側、太ももも内側ではなく骨とまっすぐか外側を意識して、膝も中へ入れないことが大事です。すべては、身体の余計なところに力が入らないためです。
足を置く位置は、起立と立った時に自然に立てる位置に置くこと(ペダル使用時は例外です)
③姿勢
①で上半身のリラックス状態を説明しましたが、正しい足位置で支えられた骨盤の上に前後・左右自由に動く上半身をのせるイメージです。
④椅子の高さ
きっちり①②③を確認してだらりと下げた腕で椅子に座り、手首にゴムを引っ掛けて鍵盤の上に誘導します。
鍵盤上にポトンと落ちた肘の角度が90度(直角)以上に開くことが大事です。
と言うことは、椅子が低いと90度以内になるはずです。おのずと椅子は高めの設定になります。
初めに書いた通り、おもみを指先に流すためには、肘が鋭角だと重みの流れがそこでとどまるからです。
⑤ピアノとの距離
③で書いたように、可動域が広いと88鍵があやつりやすくなります。
また、身体の前(大きなぬいぐるみをだっこした感じを想像してください)の空間をたっぷりとることで弾く音が豊かになったり、表現豊かな音を作ることができます。
⑥顔の位置と譜面台の高さ
手元や鍵盤を見ると頭が下がります。
頭は体重の約10%くらいと言われています。50㎏の人で5㎏の計算になります。
足➡骨盤➡背骨とそれぞれが、地球に対して直角で負荷の無いようにしていても5㎏を傾けることによって、首周り・背中の筋肉が持ちこたえようとして頑張ります。その力を補おうと、腰や腹筋や腕やいたる所がバランスを取ろうと頑張り、知らずのうちに疲れになってきます。
頭も背骨の上にまっすぐ乗せるイメージでずっと下を向くことは避けるべきです。
譜面台も上過ぎず下過ぎず、目線がまっすぐになるのが好ましいです。
⑦座布団や足元
やわらかいもの・沈み込むものは良くないです。
堅いもの同士が支えを作ります。
ピアノイスに付属のクッション面のやわらかさ加減と座骨が演奏時の可動をしっかり支えてくれます。
床面はどのご家庭も問題はないと思いますが、小さなお子さんが足台や補助台を使う時は、材質や安定感がかなり重要になってきます。
以上、重みをうまく使うとは、しっかり座り身体を支えることが大切になります。
【骨盤・背骨】は大木の幹であり、【腕】は枝葉で自由に動くことが、ピアノ演奏には重要になってきます。
【足や頭】は、その動きのバランスを取るものです。
それぞれの身体の重要な役割を理解したうえで、脱力した楽なピアノ演奏のテクニックを学ぶ
この手順をわかると、無駄な力みとは無縁になることでしょう。
ピアノを脱力してらくに弾く方法
文字や言葉でお伝えするのは、難しい所が多々ありました。
具体的にもっと知りたい方は、個人アドバイスもしています。
対面はもちろんのこと、オンラインでもかなり効果を感じて頂いてます。
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本来の目的「脱力してらくに弾いて美しい音を出す方法」
一つづつの奏法やテクニック・重みの使い方など、数知れずあります。
いろんなテクニックをピックアップして「脱力してらくに弾いて美しい音を出す方法」のシリーズとして一つずつご紹介していきます。お楽しみにお待ちください。
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