親指の使い方で力が抜けて脱力出来る

親指の使い方の画像

親指は、どう使っていますか?

  • つっぱったり
  • 上手く動かなかったり
  • 速く動かなかったり
  • 手に力が入って疲れる

こんな人たちの特徴は、親指に力が入ってることなのです。

親指の動きだけではなく、他の4本の指が動きづらかったり、音の粒が揃わないのも、親指に力が入っていたり、動かし方の勘違いが原因になってきます。

 

では、どのように力を抜いたり、どんな動かし方をすれば良いのでしょう。

 

それを考える前に、親指の構造や手の中の骨や関節を見てみましょう。

 

これを知ると、何となくピンとくるかも知れません!

 

 

手のそれぞれの関節

手の中の骨と関節の仕組みの画像

上の手関節を見ると、指の根元って見た目の指の股ではなく、手の甲に中にあります。

  • DIP⬅第1関節
  • PIP⬅第2関節
  • MP⬅第3関節
  • CM⬅第4関節(手の甲の中)

よく関節をしっかりと支えて音を鳴らしましょう!と言います。

どの関節を意識してますか?指先に近い所から1,2,3,となるようです。

 

さて、問題の親指。関節の名前も違いますが、数が一つ少ないですね。

そして親指のCM関節は、親指が他の指と向き合ってつまみ動作(キャップを開けたり物を掴む)が出来るように、可動域の大きい関節です。

大きな動きも出来て便利な分、日常生活においても使いすぎて関節に摩耗が起きやすくなります。⬅親指の付け根が痛い!と言われる方は、この辺りにも原因がありそうです。

 

そして、ピアノを弾くとなれば、無数の動きと速度とエネルギーを使うことになります。

となると、いかに楽に合理的に使わないと、痛めてしまうことになりそうです。

 

 

では、楽に合理的に、どのように動かすと良いのでしょう。

 

 

親指の使い方・動かし方

左の画像が関節です。

基本、音を鳴らすのに関節の支えは必要になります。

以前にも各部位の記事で書きましたが、クネクネの関節では鍵盤を下ろせませんが、決して手を丸くして関節を全て出さなければいけないとは思いません。

 

【親指の使い方】

右画像の青色➡を極端に曲げることを見かけますが、曲げた時点で親指や手の他の部分に力が入りませんか?

オクターブや広い和音を掴む時は少し曲げますが、必要以上に曲げず手の向きを変えます。

 

手の向きを変えるとは、親指側が手前だったり、小指側が手前だったり、連続に弾くのか跳躍するのかなど、いろんなパターンで違ってきます。

 

ようするに、青色➡の部分は自然な直線、手袋をはめるときのように自然にまっすぐで放り出す感じです。

力を入れない、形をキープしようと固めないで、楽にして下さいと言うことです。

 

【親指の動かし方】

2枚画像の赤色➡第3関節・第4関節から動かす感じです。とくに第4関節から自然に下に落とす感じです。

 

パタパタした動きになる感じですが、手の甲や手首をリフトアップすると、落ちる感じがわかると思います。

また、指の側面で弾くことになるのでは?と思いがちですが、爪の横の一点をポイントと感じると、いろんな角度でのタッチが出来ます。決して指先に近いIP関節を曲げなくても出来るはずです。

 

 

自然な手の形 親指と他4本

 

自然な手の形=らくな脱力された手のはずです。

でも、手をまるくまるく!猫ちゃんの手で…などと表現すると、その形にしようとますます手に力が入ってしまうのです。

 

歴代の巨匠も、今の新進気鋭のピアニストのみなさんも、決して猫の手のように丸くはありません。

もちろんプロですから、どんなスタイルも個性として完成されてるので、それを見よう見まねの学びではありません。

 

力みのない自然な形が理想・・まるくまるく!が一人歩きせず、いろんな表現に合ったマルチな手

 

決して、見た目の問題じゃない…ということです。

 

手のフォームに関しては「自然な形」として、ではどの関節が重要か?と言うと、

あえて言うなら第3関節かな、と思っています。

 

これも、ガッツリ出なくてはいけないのではなく、支えることがきっちり出来るか。だと思います。

第1関節は、音色のいろいろで出さずに鍵盤をタッチすることもありますし、しっかりと止めたい音は関節でコントロールします。ようするにどのような音にしたいかで繊細に操る必要があります。

 

とにかく、どの指も、第3関節や第4関節から動かすことを意識してみて下さい。

初めての感覚ではないでしょうか?

ピアノを弾く=指を動かすのイメージが変わりませんか?

 

きっと、無駄な力みはなくなるはずです。

 

親指と人差し指の基本の形の画像

親指と人差し指の空間をより広くとること

 

この緑の曲線が、くっついたり、狭い人をよく見かけます。

 

まずこれは、親指の動きが悪いとかの問題以外に、他の指も動きづらくなるし、音の粒くずれも、疲れてガムシャラに動かす原因になります。

 

実は、これ、私がそうでした。

親指が開くストレッチの画像

親指と人差し指の間をもみほぐしてました。

この部分を探っていくと、CM関節の分岐点になりますよね。

ここをひたすらもんで、広げようとしてました。小学3年の時だった記憶…

 

先生からは、何のアドバイスもなく「広がるように直しなさい」と一言でした。

 

この部分に手を添えながら、片手ずつ練習。弾くとこの部分がキューッと締まっていく感じでくっついてしまいます。

ピアノの鍵盤の下部分に親指を引っかけて、他の4本指を動かす練習。

 

小さいながら、開くためにいろんなことを一生懸命いつもやってました。

1年以上はかかったと思いますが、苦労したときは必死でしたがいつしか出来るようになってからは、考えることも忘れてました。

今は、キュッと閉じた時の感覚すら思い出せません。

 

親指に力が入ったり、指がキュッと閉まったり、第3関節がへこんで落ちてしまったりするのは、全て、手や腕や肘の方向と脇や肩も含めての脱力が出来てないからなのです。

 

いかに脱力が大事で、全てに繋がり、良くも悪くも全て支配してしまいます。

脱力の記事はこちらに書いてます。

脱力は全てに繋がるし、演奏テクニックも全て脱力と結びついてます。

 

 

あと、オクターブが開かない。これも、脱力でかなり問題は軽減します。

これはまた別記事で書きます。

 

 

 

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無駄話<若かりし頃>

親指を開くストレッチの他、全てのMP関節の間を広げようと、もみほぐしてました。

 

そのおかげか、そのせいか、らくらく10度が届くバカでかい手になり、先細のしなやかな手からはほど遠く、悩みのタネではありました。

 

ただ、演奏においては苦労することなく、大きな手でも速く細かく動く手には感謝でした。

ストレッチのおかげで肉厚の手も柔らかく、今でも手を揉みほぐすことが癖で、いろんなツボを刺激できて他の効能で喜んでいます。